ブッシュ・ド・ノエルについて

フランスでお馴染みのお菓子

ロールケーキの話をしていると、1つ頭をよぎるのが『ブッシュ・ド・ノエル』ではないでしょうか。これはフランスにおいて定番のお菓子となっており、見てくれからはまるで薪を連想させるような無骨な印象が全体的に醸しだされているのも特徴といえる。このケーキはフランスにおいてはクリスマスケーキとして食べられていることでも有名なので、日本でも同じように食べている人はいるでしょう。そんなブッシュ・ド・ノエルですが、どことなくロールケーキに似ていると思ったことがある人もいるでしょう。

実際、円柱の形で作られているそれは傍からすればロールケーキと遜色ない出来栄えとなっています。ですが見た目からしてもそうですが、ロールケーキとブッシュ・ド・ノエルを同一視する人はやはり少ないでしょう。個人的な意見としても、ブッシュ・ド・ノエルはクリスマスケーキという印象が強いため、普段気軽に食べるものではないと考えているくらいだ。そう考えたら、やはり同じものにするべきではないと思いたいですが、どうしてここまで似ているのに別物なのかと考えてみる。するとその奥から出てくるのはフランスの、ブッシュ・ド・ノエルに込められた風習が浮かび上がってくるのです。

フランスの結婚式で

物凄く広義な意味で言えば、ブッシュ・ド・ノエルもロールケーキと考えていいでしょう。ですがあくまで広い意味であり、狭義的な意味合いで考えてしまうとフランスの人々に怒られます。どうしてか、それはフランスの人々にしたらブッシュ・ド・ノエルは冬の代表的なお菓子であると同時に、宗教的な意味で作られていると考えられているのです。そこまで話が膨らむのかと驚く人もいるでしょうが、ロールケーキ、引いてはスポンジケーキが誕生してからクリスマスケーキというものが出来上がった経緯を考えれば、一言では語れない歴史がそこにはある。

ですが、どうして薪をイメージしたような外観になっているのかというのも気になっているはず。これにはいくつか定説が存在しており、どれが正しいのかという点についてはいまだ議論が進められているため、何とも言えない部分もある。なので今のところ有力とされている、ブッシュ・ド・ノエル誕生の経緯を幾つかピックアップしてみよう。

誕生までの経緯として

  • 1:フランスの結婚式では、新郎新婦が薪割りをするという習慣が存在しており、そこから来ている
  • 2:クリスマスがキリスト教以前の冬至祭を起源としている
  • 3:北欧の古い宗教的慣習『ユール』にて使われていた丸太を参考にしている
  • 4:キリスト生誕を祝って、幼い救世主を温めて守るために、暖炉で夜通し薪を燃やした

どうして薪なのか

ブッシュ・ド・ノエルが誕生した経緯については上記のとおりとなっていますが、それ以前にどうしてモデルを『薪』にしなければならなかったのかという点がとても気になる。ある人は薪はフランスの結婚式でケーキ入刀のごとく重要な儀式めいた物となっているため、フランスの人々にとって薪そのものを重要だと取られている向きが強くあると考えられている。

ツッコミを入れさせてもらうとしたら、フランス人が薪に対してこだわりを持っていると言われても、何だか無理くりすぎないかと感じさせられる話だ。例えばそうであったとしても、現代のフランス人がいまだに暖炉で薪をくべた生活をしているかといったら、都市部の人はもっと便利なものを利用するでしょう。田舎であれば暖炉を利用しているかもしれませんが、一家に一巻き的なポジションで常時設置している、なんてシュール過ぎる。

薪は重要なのかもしれませんが、都市化が進歩していく中で薪と接する機会がなくなっていった人々に対して、ブッシュ・ド・ノエルが造られた、とも考えられるのではないでしょうか。

何だか色々と

フランスのロールケーキについて触れると、かち合って出てくるのがブッシュ・ド・ノエルという文化的な側面で、宗教的な意味合いが込められている。たかがロールケーキでそこまで話が広がるものかと思いたいところですが、起源やら歴史やらに触れていくと、ケーキも開発・研究が重ねられていく中でクリスマスで神様への供物として捧げられるものだとする考え方が生み出された事、これに尽きるのかもしれません。